平山栄一記録簿  想哲理越憂愁     

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②朝稽古で体験したちょっと渋い出来事 とても癒されたというお話

運動公園のグランドで真っ暗な内から朝稽古をしていた。私以外は殆どマスク姿。屋外なのにマスク姿だ。ウォーキングしている人もジョギングしている人もマスク。中には二重にマスクを着けている人もいる。本当にため息が出る。ときどき、アナウンスが響き、「感染症対策のために、三密を避け、マスク、手指消毒などの徹底をお願いします。皆さんのご理解とご協力で~~」などの文句が自動音声で垂れ流される。

 

本当にがっくり来る。何故、朝、スッカスカの人数で身体を動かしているだけなのに、皆マスクする? 何の意味もない、何の効果もない、あるのは有害性だけ。みんなで緩慢に自殺に向かってるだけ。2年近くずっと伝えてきたけど、本当にくたびれる。

 

私1人がノーマスク。感染症対策のために、理解と協力を? 誰がするか、理解できん、協力できん、と心の中で、いや、口に出して思わず口走ってしまってる。マスクをしながらジョギングなんて一体何の罰ゲームなんだ? 茶番もここまでいくと気持ち悪くなる。

 

私は全然遠慮しない。グランドのトラックど真ん中で、激しい身体の動きをする。いくらでも激しい呼気が出る。サンチンの型をする、息吹の声が出る。組手を想定した防御と攻撃の動きをする、防御攻撃合体型の動きもする。とても速い動きなのでやはり激しく呼気が出る。そりゃ大きな息吹の音も出る。ウォーキングをしている人、ジョギングをしている人が、怪訝そうな顔つきで私を観る。全然気にしない。2019年型の稽古、動きをそのまましているだけ、2021年型、2022年型の遠慮をしないだけ。本当にもういい加減にしてほしい。

 

激しく身体を動かした後、馬歩タントウを少し長めにして、小休止した。グランドの隅っこにあるベンチに座ってぼーっとしていた。腰を伸ばすためにストレッチとかも、やっていた。

 

そのとき突然、私に向かって

 

「ご苦労様です!」

 

と声がかかった。ふと顔を上げて見ると、この運動公園の警備員? 管理担当者? どういう役職か分からないが、いつもおられる方だった。見ると、マスクを顎にひっかけている。え? どういうこと? マスクを一応外してる格好だけど。スタッフのはずだけど何故? そう思いながらも私は挨拶を返した。

 

「あ、ご苦労様です。」

 

もう一人、今度はやはり顎マスクで歩いてこられてた方(いつもゆっくりとイヤホンマイクで音楽なんかを聴きながらゆったり歩いている方だ)が、大きな声で、何かしら冗談口を挟み込んできた。

 

「いやー、年取るとあんまり寒さが分からなくなるもんなのかねー!」

 

ニコニコしながら話しかけてくる。私と管理スタッフとに話しかけているようだ。二人して、いえまぁお若いからじゃないですか、ホント若いですよ、なんて返したりして笑いあった。

 

「そうか、私は若いのかなぁ!」

 

と大きな声で言われ、笑いながら歩き去っていかれた。私は1人ベンチにいて、お二人は左右に分かれて離れていかれた。ほんの15秒? 20秒? くらいの出来事だった。何かしらあったかい空気が流れたように感じた。

 

周囲はもう殆どの人がびっちりマスクを着けている。その中でノーマスクは私1人だけ、そして、このお二人は顎マスク。この3人だけがマスクのことを思い切り軽視していたという状況。私は確信型のノーマスクでお二人は顎マスク。でも、この顎マスクのお二人も、心の中では、こんなバカなことやってられん、と感じておられたのではないか。私が1人でノーマスクで平気で激しい動き、呼気、音を出しながら(と言っても2019年式のごく普通の行動だが)運動しているのを見て、「そうそう、それが本当だよね、よくぞやってくれたよ」そうお二人が思われたのではないだろうか。心の中では、喝采の声を上げたいくらいの気持ちだったのではないだろうか。

 

本当に不思議な時間が一瞬だけ私に訪れた。何かしらウンザリした思いの中にいたのが、突然、さわやかな涼風が吹いたような感覚を味わうことができた。

 

やっぱり心の中で、これはおかしい、絶対何かがおかしい、何とかしないといけない、そう思っている人は確実にいるんだな、そういう人がどんどん増えていくようにしないといけないんだな、そう気づかされた。貴重な体験をさせていただいた。とても感謝している。