太宰治の晩年に書かれたものです。亡くなる直前です。不思議な小品です。何かしら勇気づけられます。人によっては受け止める感覚が違いますが、私は勇気づけられます。
太宰治は頭が良すぎたのでしょう。いろんなことが見えすぎ、とても苦しい人生だったと思います。それにナイーブ過ぎました。もう少し鈍感であつかましくなれれば早く死ぬこともなかったのじゃないか、そう感じました。
生きてさえいればいいのよ。
この言葉に勇気づけられる人も入れば、いや、そんなもんじゃないだろうと煩悶する人もいるでしょう。どちらのタイプかで人生、けっこう分かれ目になるかもしれません。
私は勇気づけられる方です。
そう言えば、もうすぐ絶筆の桜桃を読みます。ずいぶん前に読んだ記憶があるような無いような。適度にぼけてるから読んでも忘れたのでしょう。感覚を受け止める度合いも変わってるでしょうし。読むのを楽しみにしています。泉下で彼は何を思っているのでしょうね。