平山栄一記録簿  想哲理越憂愁     

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③今、生きてるってことそのものが幸福

若い頃は、けっこう色んなことで悩み、どうしたらいいんだろう? 何故自分はこんなにバカなんだろう? このままだと何もかも失敗してしまう、一体どうなるんだろう? どうしてこんなに不幸なことばかり起こるんだろう? 自分の生まれ合わせはどうしてこんなに不幸なんだ? 大体、こんな不公平な話はないじゃないか? こんなに体が弱いなんて、一体どうなってるんだ? すべてにおいて自信のカケラも持てない、一体これから先自分はどうなるんだ? などなど、まぁ悩み事のデパートみたいに、実に多種多様なことで、一人悩みまくっていました。

 

今は、悩み事、ということそのものがありません。というか、悩み事を抱えるという発想がありません。前向きに捉えている、という感覚ではむしろ無く、悩み事って一体何? という発想に近いと思ってます。

 

ただ、自分と他の人たちとの間で、あくまでも公平な、平たい目線で行き会うことだけは確保しています。偉そうにする必要は勿論毛頭ありませんし、かといって卑屈に自分から成り下がる必要も全くありません。あくまでも自然体で、ふつうに対峙し、ふつうに挨拶し、ふつうに交流する、こういう姿勢で、まず充分かと考えています。ときどこ、それが鼻につき、なんて生意気なヤツなんだと見られることもありますが、それが私自身の自然体なので、まぁ仕方ありません。最近は年齢が多少嵩んだこともあり、それなりにふつうにやりとり、行き来できるようになったような気はします。

 

若い頃、30代半ば過ぎ頃までに3回、ウツ状況を体験しました。ソウとウツを繰り返すタイプのようで、ソウの状態のときはもうスーパーマン(スーパーサイヤ人にはなれてません、これレベル高いですよね)。得意の絶頂、仕事なんか何をさせてもバリバリこなす(そういうつもりなのかもしれませんが)。電話番号なんか一回使っただけで何十件と普通に覚えてしまう。(今はもうソッコー無理、たまに覚えているときもありますが・・・)仕事の差配や納期への仕事量の計算や見込みなんかも、一瞬で分かってしまったり・・・随分重宝がられました。

 

ところが、図に乗ってしまい、上役や社長と衝突することが増え、あっという間に疎まれることとなります。最後は会長にドカンと一発どやしつける、という「事件」まで起こし、マッハで退職。退職後ほんのしばらくは意気盛んでしたが、あっという間にウツのどん底へ・・・もう家の外にも出れず、人とも会えず、体から気力という気力が風船がしぼんでヘロヘロ墜落するような意気消沈の状況と相成りました。何にもできません。

 

オレはなんて不幸なんだ、バカなんだ、何でも出来ると思い込んでいたのはタダのマヤカシだったんだ、オレは何にもできない、ただのでくの坊に過ぎない、これから先死ぬまで、絶対、ぜーったい、良いことなんか一つも起きない、もうわかりきってるんだ・・・などと確信しつつ、それだけは自分で納得してるという・・・バカバカしい境涯を味わうこととなりました。その世界から一歩も外に出られません。

 

でも、人間って意外にしぶといもので、そんな中でもどこかしら豆粒のような希望を持ったりします。

 

ちょっと待てよ、今の自分の状況なんて、悩みなんて全然大したことないんじゃないか? たかが人間、世界の中で、いや宇宙な中で観ればただのチリにもホコリにもならないような目にも見えない存在。何をグズグズ、グチャグチャ言ってる? 住んでる町から俯瞰して、自分を見ればいい。ほんの一メートルから上でも自分を見てみろ。バカな顔して不平タラタラ。でもほんの10メートルも上がって自分を見たら、その表情ももう分からない。100メートル上がって自分を見たら、どこに自分がいるのかも分からない。1キロ上がって、10キロ上がって、100キロ上がって自分を見たら、もうワケワカメだぞ・・・

 

それを続けると、宇宙の果てから自分を見るなんて始末になります。既に光速のスピードで自分を見なければならず、いったい存在してるのかどうかも何も分からないなんて感覚になってしまいます。人間とは何か? 存在とは何か? いや、幸福とは? 不幸とは? そういう哲学命題がポラポラ浮かび上がってきて、一人下らないことで悩む「ヒマ」が無くなってしまいます。

 

そういう一種の励ましを自分に与えている中で、少しずつウツは消えていきました。ついでに仕事の実験も計画し、誰もが、コイツ(私のこと)はこんなことできる訳が無いだろう、みたいな取り組みを始め、できなかったらその時クビ括って死んでもいいじゃないか、まぁ死ななくてもいいけど。別のんやればいいしね。みたいな、余裕マルコメみたいな実験をしたりします。結果、なぜかプチ成功があり、一瞬で一旦何もかも解決という状況に。むろんそれから大波小波はありましたが、今ではどんな波に対しても、前田日明? いや赤井英和? っていう訳じゃありませんが、

 

「かかってこんかい!」

 

の根性で大体乗り切れます。長い道のりでしたが・・・

 

何かのご参考になれば幸いです。